築25年、総戸数120戸、11階建てのマンションです。3段昇降式の機械式駐車場の更新時期が近づいて来ています。費用の負担で意見が分かれて話が進まないということで、相談に来られました。
駐車場50区画(機械式は48区画、平置き2区画)のうち、現在12区画が空き(24%)の状態で、車高制限を超える車輛の所有者が多くなり、外部の駐車場を利用している組合員もいるようです。
機械の更新に伴い、3段式の一部を2段式に減築して、メンテナンス費の削減も図ろうと各社から見積もりを取って比較検討していたところ、車を持っていない組合員から「一部の使用者のために全体の費用を使うのは、問題ではないか」と理事会に投書があったとのことです。駐車場使用者からは「賃料収入があるから管理費や修繕積立金の値上げをせずに今までやって来られた」「25年間の賃料収入で更新の費用は十分賄える金額になっている」とそれぞれ意見の応酬となっているようです。
マンションの維持管理に必要な管理費は、使用する・使用しないや、回数で徴収される仕組みではありません。例えば、居住人数が異なっていて、エレベーターを使用している階数が、10階、5階、1階でも同じ扱いを受け、各戸の専有面積の割合で徴収されています。
駐車場の場合も、今は車がなく使用していない人でも将来家族が使用することもあります。いつでも車を駐車できるスペースがあるということで資産維持がされています。
駐車場使用者もマンションの敷地に駐車できる安心感があり、民間の駐車場と違い、更新料の発生もありません。確かに修繕積立金への繰り入れ金額を見れば、マンションに貢献していることは間違いありません。
機械式駐車場の駐車料金は、30年の駐車場長期修繕計画を作成し、維持と機械の更新もできて、問題がないことが分かれば、近隣の駐車場賃料よりも下げた料金にすることも検討できると思います。
また、更新時の減築に関しては、設置台数に関する条例も確認して、組合員の車所有の意識調査と車高、車幅の変化でサイズが合わず、外部の駐車場を利用している組合員数をアンケート等で把握して、3段式を2段式にする、車幅を広げて車列数を減らす等を検討して、収容台数の結論を出すことをお勧めします。