平成25年7月1日から施行される条例で区内940棟のマンションが対象となる。区民62万人のうち、60%以上がマンションに暮らしているが、区、管理組合、居住者、専門家等がそれぞれ取り組む事項について示し、マンションの良好な管理を推進するためです。
マンション代表者等が行う主な責務は次の8項目となっている。
①管理規約等の作成及び保管・閲覧
②総会及び理事会議事録の作成及び保管・閲覧
③名簿等の作成及び保管
④設計図書及び修繕履歴等管理に関する図書の適正保管
⑤連絡先の明確化(管理組合ポスト・緊急連絡先表示板の設置)
⑥法定点検及び設備点検・清掃の適切な実施
⑦長期修繕計画の作成及び適切な見直しと適時適切な修繕の実施⑧居住者等のコミュニティの形成や活性化と未加入の場合、町内会加入の協議
届出がないもしくは十分な管理ができていないマンションには、指導や要請・勧告を行い、それでも従わない場合は、マンション名を公表することができるようになっている。
情報の共有化・資産価値向上・安全で安心な暮らしには欠かせない項目でマンション管理適正化法やマンション標準管理規約等にも記されているが「名簿等の作成及び保管」に踏み込んだことは素晴らしいことである。
平成17年4月から施行された個人情報保護法に居住者が過敏に反応するために管理組合・自治会等の役員がチャレンジしてもなかなか進まず、悩ましい問題であった。
現在管理組合では、区分所有者の名簿の管理は行われているが、占有者等については行われていない。
今回の条例では、地震や火災・漏水等の緊急時対応のため区分所有者等及び居住者等の名簿作成を取扱いに関する細則を備え、適正に保管するものとするとしている。ここでいう「区分所有者等及び居住者等の名簿」とはどこまでの範囲か?豊島区の都市整備部建築課に尋ねてみると「マンション居住者全員が対象と考えているが、各マンションの総会でどこまでやるか決めてほしい。水漏れ等の対応の場合、居住責任者への連絡がつけば解決可能ですが、地震時の安否確認には居住者全員の名簿があった方望ましい」とのことでした。悩ましい問題の解決はマンション所有者等の意識にかかっているようだ。
今年の7月以降、実施状況等の情報を集め、注視して行きたい条例である。
2013.5.10記