総会で初めて理事に選出され、総会後の理事会で図らずも理事長に選任されてしまったAさんが相談にやってきました。
開口一番「私は何をたよりに何をしていけば、上手く理事会の運営ができますか? 区分所有法や標準管理規約、マンションの管理規約を読みましたが余り理解できていない状態です」と言われました。
話を伺うとマンションは築30年で戸数は120戸、住宅専用の単棟型12階建て、新耐震基準を満たしているとのことでした。
理事は11名で、監事が1名、理事会は毎月第一日曜日15時から約2時間行われているとのことでした。
相談者のほか10名の理事の中には過去に理事長を経験された方も含まれていて、協力してくれそうだと感じているとのことでした。
Aさんには「理事長は理事会をリードして行く立場ですが、出席理事の過半数以上の賛同が得られないと何もできない」と説明しました。
組合員の生活に影響を与えることは、理事会だけで決定するのではなく、問題点や状況を説明して、組合員にも解決するための方向性をアンケート等で確かめてそれに基づいて理事会で決定してくことを勧めました。アンケートの実施が広報の役割も果たし、組合員の無関心を減らす効果がある点も付け加えました。
また、「管理組合のポストはどなたが管理していますか」と尋ねたところ、「管理人さんがポストを開けて郵便等の振り分けを行っている」と言われたので「自分の家のポストを管理人さんが開けますか、自分の家と同じように理事で担当者を決めてその方が管理をすべきで、管理会社にとって不都合な情報があった場合、伝わらないことも予想されます。管理組合のポストを理事が管理することは、理事会運営の一丁目一番地です」と伝えました。
組合員にもポストの管理は理事会が直接行っている旨を伝えて、情報等を理事会に寄せてもらうことを伝えることで、組合員と理事会の風通しがよくなるが考えられます。
組合員からの意見・提案・苦情に関する受付について、連絡カードの用紙を作成して個人的な誹謗中傷は受け付けない、無記名の投稿に対する対応等のルールを事前に決めておくことも大切と伝えました。Aさんは「とりあえず言われたことを実施して、上手くいかなかった場合はまた相談させていただきます」と言って帰られました。