平成20年マンション総合調査によれば、理事の任期は1年が65.9%と多く、続いて2年が30.4%。全員同時に改選が61.9%、半数ごとに改選が23.4%となっています。選出方法は抽選・順番が69.1%です。
このような状態で気になる点は毎年レベルが一定にならないことと先送りです。理事輪番制の表は1号室から順番、各階数から順番になっていることが多いと思います。個人の資質に100%頼り、やる気ややれる状態もそれぞれ異なる理事が集まった理事会なので、レベルが毎年一定にならないのは当たり前です。
もう一つが任期終了後も同じ建物に住み続ける状況下で、在任中他の区分所有者が不適切な行動をしていても指摘することを躊躇してしまう、「一年間何とか無事に済んでくれ」と願う気持ちが先送りを選択してしまうことです。
初めて理事をする不安や得意ではない分野の人もマンションに住んでいるため義務化となり、順番で回ってくる理事は避けられず、渋々理事会に出席する人もいます。
このような理事の精神的な負担も軽減しながら、管理組合のレベルを維持、経験や情報量から長期的な視野にたてるマンション管理士を管理組合の運営に組み込むことは、管理組合にとって有効で現実的な方法です。