国会で民泊新法が議論され、7月に可決されそうな勢いです。「自分たちのマンションはどうすべきか」議論して結論を出し、禁止にするなら総会で承認してもらうことになります。
今回は民泊・シェアハウスを禁止にしたいと考えている理事会の皆さまに一例として総会上程議案例を記載します。参考にしてみてください。
第○号議案 管理規約一部改正案承認の件(特別決議)
昨今、各種メディア等で所有者が自宅等を宿泊施設として提供し、対価を得る「民泊」が取り上げられております。「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」は旅館業に該当し、旅館業法の適用を受けることとなります。
しかし、「国家戦略特別区域法」により、国家戦略特区として定められた地域で条例が制定され、知事や区長の認定を受ければ旅館業法の適用除外となります。
当マンションの管理規約では「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。」と定められておりますが、今後「国家戦略特別区域法」「条例」により民泊の規制が緩和された場合、民泊が実施され、マンション内に不特定多数の者の出入り、治安・風紀の乱れや犯罪に悪用されるといった危険性や共用部分で外国人が夜間に大声を出す、ごみ出しのルールを守らない、器物を破損する等の問題が発生することも懸念されます。
理事会で検討した結果、「民泊」に対して早急に対応策が必要と考え、管理規約を改正する結論に達しました。
つきましては、以下のとおり管理規約を一部改正することを上程致します。
ご審議の上、ご承認の程お願い致します。
なお、本議案は組合員総数及び議決権総数の各4分の3以上の賛成による特別決議事項です。
【決議事項】
1.管理規約第○条を以下の通り改正すること。
2.本規約の改正は平成29年〇月〇日から効力を発する。
【管理規約改正内容】
<現行>
第○条(専有部分の用途)
区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
<改正案>
第○条(専有部分の用途)
区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
2 区分所有者は、専有部分を直接・間接を問わず、不特定または多数の者に対して宿泊料その他の対価を徴収して宿泊のための施設(以下単に「宿泊施設」という。)や国家戦略特別区域法第13条第1項の特定認定を受けて行う国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に使用してはならない。
3 理事長は、専有部分が宿泊施設に使用されていると認めたときは、当該専有部分の区分所有者に、専有部分を宿泊施設に使用することを中止するよう請求することができる。専有部分の区分所有者または占有者が合理的な理由を示さず、第〇条第5項の協力を拒んだ場合も同様である。
4 理事長は、専有部分が宿泊施設に使用されているかどうかの事実を確認するため、随時、任意の区分所有者に対し、専有部分の利用状況について口頭または書面で照会をすることができる。
5 前項の照会の結果、専有部分の外観、近隣住戸の居住者または専有部分に出入りする者等から任意に聴取した事項、各種媒体上で見分した賃貸情報などから合理的に判断して専有部分が宿泊施設に使用されていると推認した場合、理事長は理由を告げて、当該専有部分の区分所有者または占有者に対し、専有部分が宿泊施設に使用されているかどうか実地を見分するため、理事長及び理事複数名が専有部分に立ち入ることを認めるよう、協力を求めることができる。
<国家戦略特別区域法第13条一項とは>
(旅館業法の特例)
第十三条 国家戦略特別区域会議が、第八条第二項第二号に規定する特定事業として、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(国家戦略特別区域において、外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき一定期間以上使用させるとともに当該施設の使用方法に関する外国語を用いた案内その他の外国人旅客の滞在に必要な役務を提供する事業(その一部が旅館業法 (昭和二十三年法律第百三十八号)第二条第一項 に規定する旅館業に該当するものに限る。)として政令で定める要件に該当する事業をいう。以下この条及び別表の一の四の項において同じ。)を定めた区域計画について、第八条第七項の内閣総理大臣の認定(第九条第一項の変更の認定を含む。以下この項及び第九項第二号において「内閣総理大臣認定」という。)を申請し、その内閣総理大臣認定を受けたときは、当該内閣総理大臣認定の日以後は、当該国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、その行おうとする事業が当該政令で定める要件に該当している旨の都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長。以下この条において同じ。)の認定(以下この条において「特定認定」という。)を受けることができる。