区分所有者の変更届が出された時、前所有者の役員就任実績は、どのような扱いにしていますか。
管理組合の役員の役務承継や選出方法について、区分所有法やマンション標準管理規約に規定はありません。
どのように役員を選出して、管理して行くかはマンションごとの事情を考慮して決定してもらうため、自由に選択出来るようになっているからです。
平成30年(2018年)のマンション総合調査(複数回答)では、順番(輪番)72.7%、立候補32.3%、推薦22.8%、抽選9.4%の順になっています。
役員を経験することで運営について、理解を深めてもらえることや役務負担の公平性から多くのマンションで輪番制を採用して、交代で役員に就任していますが、同じ期間在住していてもそれぞれに事情があり、規模にもよりますが役員就任の回数が異なることが多くなってきます。
役員就任回数の実績カウントはどのようにされていますか。例えば、築30年のマンションで101号室の方は、2回役員に就任していました。隣りの102号室の方は、1回だけ役員に就任していたとします。2人とも同じ時期に転売した場合、新たに組合員になった人の実績は共に0回ですか、101号室は2回、102号室は1回とカウントされていますか。
区分所有法の特定承継人の責任(第8条)とマンション標準管理規約の規約及び総会の決議の効力(第5条)や承継人に対する債権の行使(第25条)の考え方からすると、前所有者から現所有者にいろいろなものが引き継がれていくことを前提に規定されています。この考え方からすると役員の役務回数も引き継がれてもよいと思います。
しかし、私が知る限りでは役員の役務実績だけが引き継がれないで、話し合いもされず、当たり前のように人が代わったことで、新たにカウントする方法が実施されているところが多いのです。
選出方法や実績のカウントは、それぞれ前例に従い実施されているところが多いと思いますが、どのような話し合いが行われて決定されたか、「今のやり方でよいのか」一度考えて、みんなで確認する必要があると思います。