「総会は管理組合が意思決定をする最高機関」ということは広く知られていますが、実際にどのくらいの人が議論に参加しているのでしょうか。
平成20年のマンション総合調査では、実際に参加している人の割合は34.1%、委任状・議決権行使書提出による参加が46.2%、合計80.3%の参加で総会が成立している状態です。
規模が大きくなるほど実際に参加している人の割合が低くなる傾向で、委任状・議決権行使書提出による参加を合わせて過半数を超え、総会が成立している状態です。
委任状が過半数を超える状態の管理組合の総会で耳にする意見は「委任状が過半数を超え、議論をする前から議案が可決されている」「過半数を超える委任状が総会を単なるセレモニーにしている」などです。
しかし、委任状の議決権行使が規約やマンション標準管理規約で定められているからようやく総会が成立しているとも言えます。
議案によっては無言に近い委任状の多くが執行部に集中します。実際に出席した人の意見を十分に聞いて、総会をどのように運営していくかがカギです。
総会を形骸化させないためにも、執行部としては十分な説明を議案書に掲載し、重大な議案の場合には住民説明会を開催するなど、できるだけ時間をかけしっかり手順を踏むことが大切です。こうした手順を踏まないと強引な進行に見え、摩擦も大きくなります。
総会に実際に出席した人の過半数以上の同意が得られなく、反対意見が多い場合は、議決権行使、委任と議場の承認で可決出来ても、再度理事会で十分に議論し、反対意見を考慮した修正を行い、再上程するという勇気も必要な場合があります。
委任状も賛成で委任か、自分で決めたくないから委任するのか、考えるのが面倒だから委任しているのか真意は測りかねますが、する側もされる側も重みを意識してほしいと思います。