国土交通省住宅局住宅局長川本正一郎氏から平成24年2月3日(国住マ第43号)に出された「マンション管理組合が区分所有者以外の者へ駐車場使用を認めた場合の収益事業」について国税庁から判定が出された。
私は「国住マ第43号」に二つの疑問を持った。一つ目はマンションには、区分所有者、区分所有者と同居の家族、占有者等が住んでいるが、今回は、区分所有者とそれ以外の二つに分類した点です。
マンション標準管理規約第3条2では、「区分所有者は、同居する者に対してこの規約及び総会の決議を遵守させなければならない」、第19条では「区分所有者は、その専有部分を第三者に貸与する場合には、この規約及び使用細則に定める事項をその第三者に遵守させなければならない」とし、第19条2では、誓約書まで提出させ、家族や占有者に対して区分所有者と同等の義務を課しています。
また、第46条の議決権では、専有部を共有している場合は代表者を決めるように定め(区分所有法では第40条)、管理組合としては共有関係の管理までしていないのが現状です。契約者によって課税・非課税とする今回の判定だと共有者の管理も必要となり作業量が増えます。マンションに居住している者・外部所有者とそれ以外の者とに区別すべきではなかったでしょうか。
二つ目は経費として、減価償却費を認めなかった点です。専有部分を第三者に貸与した場合、経費として減価償却費が認められています。区分所有者の共有財産であり、所有権を持たない管理組合だから減価償却費を認めていません。「そもそも共用部を管理する所有権を持たない団体である管理組合に課税できるのか?」ということも議論すべきだと思います。
固定資産税は各戸の所有者が負担しているように収入に対する課税は各戸の所有者が持分に応じて納めるべきで、減価償却費や固定資産税も経費として計上できるようにするべきではないでしょうか。今後、この問題に関して国土交通省に問い合わせをしたいと考えています。
当面、管理組合の対応としては、契約者が区分所有者の家族・占有者になっている収入がどの位あるか調べ対応を検討することです。その次に、現在占有者や区分所有者の家族名になっている賃貸借契約は順次更新時に区分所有者名に改めるようにします。一台目が優先とすることや占有者が変更になった場合は解約になるとの規約・使用細則の変更が必要になるかもしれません。外部所有者には占有者との賃貸借契約更新時には駐車料金を含んだ契約にするように要請し、実行してもらえない場合は課税時の負担がかかることを承諾してもらいましょう。
2013年3月1日記