今ではエントランスのオートロックは当たり前の設備ですが、1977年~80年の第4次マンションブームから設置が始まった設備です。その前に建築されたマンションでオートロック化に移行させる場合、多額の費用がかかること、新聞等を集合ポストに取りに行く習慣がないということでなかなかセキュリティー対策がまとまらないのが現状です。
今回紹介するマンションは、築30年を超え、オートックではないが玄関ドアとインターホンを交換したことで、セキュリティーが大幅にアップし、省エネも実現できた事例です。
玄関ドアは、ショルームやビックサイトのイベントに何度も足を運び、各社比較の上、少し価格はあがりましたが、デザイン、品質(耐風圧性・気密性・遮音性・断熱性・耐震性が最新の新築マンションと同性能)、通風量、安全性から(株)リクシルの「エアート」という製品にしました。
この製品はドアを閉めたままでも2段階(全開・半開)で風が抜けるもので、火災が発生した場合は自動で通風を遮断する(全閉・防火ダンバーの役割をはたしていて、建設省告示第2563号 <防火設備等の構造方法を定める件> の規定に適合した温度ヒューズ式)優れもの、夜はエアコンを使用する回数が大幅に減ったと喜ばれています。
そして、キーも持ち歩いていれば、荷物で両手がふさがっていてもドアノブに触れるだけで開閉ができるハンズフリー式としました。このマンションでは玄関前に暗いところがあり、「鍵を鍵穴に通しづらい、何とかならないか」という声がありました。
また、今まで中央に新聞受けがあるタイプでしたが、選択できるデザインに制限があること、気密・遮音・断熱性の性能が100%得られるように、今回は新聞受け用の開閉口は設けず、ドア横の壁面に単独で新聞受けを新設しました。
ドアと鍵のグレードをあげたことで通常より高くなりましたが、ドアの交換時期(36年周期)から考えると230円/月程度なので、生活しやすさと電気料金の節減を考えると良い選定と住民の評判もいいようです。
インターホンはモニターが5インチのカラー画面で、留守を確認するために外部器のボタンを押すとすべて録画されるので安易に留守の確認ができないものを採用しました。
エントランスから廊下までは入ることができても、玄関ドアの前でシャットアウトできる方式になり、安心して生活ができるようになりました。
これからドア交換をお考えで、オートロックではないマンションでは、選択肢の一つとして参考にしてください。