管理会社から理事会に見積りが提出されたが、「この金額は適正か?」「予算内に納まるが発注してよいのか?」と考え込む理事長も多いはず。
●点検による指摘改修なので、改修は必要と思うが、一体どんな作業でどのくらいの作業時間がかかるか? 判らない。
●フロントマンは真面目そうな人だが、説明を受けたが理解できなくて「ライフラインなのでいつ止まっても大事になる」と決断を急がされる。
こんな風景が目に浮かびます。
管理組合活動が盛んな管理組合は、見積り金額に対してチェックが厳しいのが一般的です。
このような例があります。管理会社が出してきた見積り金額に対してインターネットのサイトにアクセスして「この品番なら単価は〇〇だ」「あなたの出す見積りはいつも高い」「市場の相場は〇〇円じゃないの?」と担当のフロントマンに言い寄る理事。何でも提出された金額の端数を切る、10%程度値切る理事等、金額が中心で作業内容を理解しようとしない理事会に対してフロントマンによっては対応措置を講じて来る人もいます。
管理会社から提出させる見積りが高いという声がありますが、管理会社の決算を見れば、営業利益が10~⒛%位はどこの会社もあり、直接管理組合が業者に発注するのに比べて当然高くなっていますが、輪番制で理事会が運営されている中、過去の工事等で問題が生じた場合、責任を持って問題に対応してくれることを考えれば、許容範囲ではないでしょうか。
発注側には予算がありますが、受注金額を発注者が決めることがいいことなのでしょうか。例えば飲食店でメニューを見てオーダーしたが、食べ終わってから味等を勘案して食べた人がいくらと決め、支払うようことはありません。
しかし、理事会と管理会社との関係の場合、理事長の一言でこのような状態になっていることも耳にします。
見積り金額が妥当かどうかの判断は、内容を理解していれば出来るはずです。どこをどのように交換するのか? どうしてこの作業が必要か? どの位の間隔でやる必要があるのか? どの位の人数で、作業時間はどれ位かかるのか? 作業に必要な資格は何か? 見積りを提出した人に尋ねてみましょう。それでも納得がいかない場合には、単価・金額を隠して、名称・品番・形状・寸法・定価・単位を統一した仕様を同業者三社程度に提示して、金額を提出してもらい比較してみましょう。何度かこのようなチャレンジをすることで適正価格が分かるようになります。