尼崎市環境創造課では、要件をクリアしたところを「SDGsスマートマンション」として認定、スマートマンション推進事業補助金交付要綱に基づいて、補助金(30,000円/戸)を出すと発表し、第一号を認定しました。
その要件は、
①【環境】全戸にHEMS*1(ホームエネルギーマネジメントシステム)を導入し、活用することで、マンションの全体のエネルギー管理(MEMS)*2を実施する仕組みであること。
②【経済】地域通貨ポイント等の活用により、地域経済の活性化に繋がる仕組みを実施すること。
③【社会】市総合計画(尼崎版SDGs)に沿った市の社会課題への具体的な対応策を実施する。
の3つで、3年間毎年3月20日までに報告することが必要です。
第一号に認定されたところは、2022年10月に完成予定の阪急塚口駅前の421戸のマンションで、3つの要件の具体的な取り組みは次の通りです。
【環境】は、関西電力から電気を一括受電し、マンション全体のエネルギーをマメージメントするHEMSと一括インターネットのICT(情報通信技術)を利用して、各戸の電力使用量を見える化したMEMSを組み合わせました。
その利点は、
①一括受電・一括インターネットで電気料金と通信費を節減。
②賢く使って電気料金がお得になるスマートプランの採用。
③エネルギーの見える化でスムーズな省エネ・エコライフ。
の3点です。
【経済】は、
①効率的な電気使用を実践した住戸やデマンドレスポンス発動時に連動させた地域ポイント付与サービス。
②421戸で省エネコンテストの実施。
があげられています。
【社会】は、
①多世代が住まい交流するまちの創出に向けて、1~4LDKのプランを提供するとともに、食配スペースや宅配ボックスの設置。
②駅前立地を活かした公共交通機関等の利用促進と居住者以外も利用可能な駐輪場の設置。
③子育てや世代交流に配慮した共用部とサービスの提供。
があげられています。
この様に居住する地域の行政のSDGsへの具体的な取り組みによって、これから地域差がでてきます。
開発業者が参入したいと思うSDGsを含めた地区計画を行政が提供できるところは、発展する可能性を秘めています。居住地域の選択にもSDGsへの取り組みが選択項目に加わってくる時代になりました。
また、今まで管理の面から単身者、ファミリーと家族構成が異なるところは、生活様式が異なりトラブルの発生が起こるので、難しいとされてきました。「交流」というキーワードで、新たな知恵を出してトラブルの解消や居住者以外の駐輪場の管理をどの様に行っていくか、注目したい点です。
*1 家庭内の電力利用状況を集約・可視化して、家電設備をコントロールし、そのエネルギーを自動制御することで省エネ・節電の促進するシステム。
*2 マンションの全体の電力利用状況を集約し、適切にエネルギー管理に活用出来るシステム。