東京都のアドバイザー派遣で、B-7コース(マンションへの電気自動車用の充電設備等に関すること)の派遣依頼が最近増えてきました。
これから自動車業界では、EV化と自動運転が進んで行くと言われています。また、東京都のZEV(ゼロミッションビーグル)では、EV車の割合を2030年に50%、公共用の普通充電器設置を2025年に5,000台(現在の約2倍)、急速充電器は2030年に1,000台(現在の約3倍)を目標にしています。マンションの駐車場に充電設備が設置されていないとEV車の使い勝手はよくないと言わざるを得ません。
しかし、既存のマンションでは、EV車用充電設備等の設置が進んでいないのが現状です。それは、マンションには、様々な価値観・家族構成・利用方法が混在していて、建物の維持や設備の社会的劣化(建築時には無かった設備が現在の新築マンションには当たり前に設置されているもの)に対して、どこまで対応するかという判断基準が多様で合意形成が難しいからです。
一方、2017年8月に大手建築会社が中央区佃の43階建て、総戸数642戸のマンションで、EV車1台の電源でエレベーター1基を43階まで運転させる実験を行い、その結果100往復は可能であると推定されました。変換機設置の費用はかかりますが、これにより災害時における大規模停電に高層階からの避難や地上からの物資輸送に有効であることが確認され、災害時におけるマンションの強靭化に寄与することができるため、自動車所有者以外にも必要な設備と考えることができます。
充電器設備の設置に関する補助金は、国(経済産業省・次世代振興センターが窓口)と、東京都(クールネット東京が窓口)の両方に制度があります。基本的にセンターが承認した設備を設置する場合、両方から50%の補助が受けられます。消費税、振込み手数料、手続き手数料、造作、課金機の費用は、対象外で管理組合の負担となります。
国は例年5月にホームページ上で募集要項を公表し、6月〜9(10)月までに申請、翌年1月末日までに報告書の提出することになっています。東京都は国の後にホームページ上で募集要項が公表され、翌年3月末日までに報告書の提出となっています。令和4年度(令和3年度補正予算)に国は条件を大幅に緩和(総会決議を理事会決議で可能に、設置台数の制限を無くしました、急速充電器をマンションでも設置可能に)しました。設置を早めたいとの表れだと思います。
【V2H】EV車のバッテリーに蓄えられている電力をマンションに流用する給
電システム
電気自動車の直流を交流にする変換機で、蓄電池を付けると貯めることもできます。1台に付き分電盤が1つ必要になり、建物に5台まで設置することができます。
設置のメリットは
①家庭用の200Vコンセントに比べて充電時間が1/2
②深夜料金で蓄電しておくと電気代節約になる
③停電時のバックアップになる
④電池容量が大きい(家庭用4~12kwh、電気自動車10~40 kwh)
⑤センター一覧表の製品なら補助金を受け取れる(製品代 国・都最大75万円)。
設置工事費の補助は30万円~
(国の補助、最大95万円・都は81万円、2基目40万円)です。
国と東京都の補助金の制度がある内に使い勝手も良くなり、災害への対応も可能になる充電器、V2Hの設置を検討することは、資産価値の向上に繋がると思います。
次のホームページを参照してください。
・一社)次世代自動車振興センター➡充電インフラ補助金 03-3548-9100
・2022年(令和4年)9月15日現在 補助対象充電設備型式一覧表
(センター承認価格・全8P)
https://www.cev-pc.or.jp/hojo/juden_pdf/r03/r03_juden_jougen_meigara.pdf
・クール・ネット東京 ➡充電設備等導入促進事業(集合住宅)03-5990-5159(平日9-17時)